労働時間の「客観的把握」義務化とは?手書き出勤簿や自己申告が認められない理由

働き方改革関連法の施行により、労働安全衛生法第66条の8の3において「すべての労働者の労働時間を客観的な方法で把握すること」が企業に法律上の義務として課されました。従来の「手書きの出勤簿」や「自己申告での月末まとめ書き」は原則として認められず、労基署の指導対象となります。本記事では、厚労省ガイドラインの基準と、中小企業が低コストで客観的把握をクリアする方法を解説します。
- 労働安全衛生法第66条の8の3:客観的把握義務の概要
- 厚生労働省ガイドラインが認める「客観的な記録」の2大原則
- なぜ自己申告制や手書き出勤簿はNGとされるのか?
1. 労働安全衛生法第66条の8の3:客観的把握義務の概要
2019年4月の法改正により、事業者は「労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること」が義務付けられました。
対象となるのは正社員だけでなく、パート・アルバイト・契約社員、さらには「管理監督者(店長・役職者)」や「裁量労働制の適用者」を含むすべての労働者です。
健康管理および過重労働防止を目的としているため、「残業代が出ない役職者だから勤怠を記録しなくていい」という言い訳は一切通用しません。
2. 厚生労働省ガイドラインが認める「客観的な記録」の2大原則
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、原則として以下のいずれかの方法で労働時間を把握することを求めています:
① 使用者が自ら現認して確認し、適正に記録すること
② タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の「客観的な記録」を基礎として確認し、適正に記録すること
本人が月末に記憶を頼りに書く手書き出勤簿や、自己申告による労働時間の報告は「客観的な記録」とは認められません。
3. なぜ自己申告制や手書き出勤簿はNGとされるのか?
手書きや自己申告では、「上司に残業申請しづらい」「サービス残業を隠蔽できる」という構造的欠陥があるためです。
労基署の立ち入り調査(臨検)が入った場合、手書き出勤簿だけでは実態の証明にならず、PCのログイン履歴やビルの入退館記録の提出を求められ、乖離があれば一発で是正勧告を受けます。
4. 小規模事業所が0円で「客観的記録」を満たす方法
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本記事は、厚生労働省策定ガイドライン、労働基準法(第32条・第36条・第37条・第108条)および関連省令に基づいて制作・定期更新しています。
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