バイトの副業・ダブルワークの労働時間通算ルール|残業代はどちらが払う?

「昼は別のスーパーで働き、夜はうちの居酒屋で働くアルバイトがいる」「昼の職場で6時間働き、うちで4時間働いたら合計10時間。法定労働時間の8時間を超える2時間分の残業代は、うちが払うの?それとも昼の職場?」飲食や小売現場で急増しているダブルワーク(副業・掛け持ち)。知っておくべき労働時間通算ルールと割増賃金の支払い義務を分かりやすく解説します。
- 労働基準法第38条による「労働時間の通算原則」
- 割増賃金(残業代)はどちらの会社が支払うのか?
- 店舗・事業者が現場で取るべき3つの防衛策
1. 労働基準法第38条による「労働時間の通算原則」
労働基準法第38条第1項では、「事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と明記されています。
これは、自社内の複数店舗だけでなく、「会社が異なる別の企業で働く場合」も含みます。
つまり、A社とB社での実労働時間を合計して、1日8時間または週40時間を超えた場合、その超えた時間については時間外労働となり、25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。
2. 割増賃金(残業代)はどちらの会社が支払うのか?
通算して1日8時間を超えた場合、残業代を支払う義務があるのは原則として「後から労働させた会社(後契約の会社)」です。
・事例:A社で9:00〜15:00(6時間実働)、その後B社で17:00〜21:00(4時間実働)で勤務した場合
合計実労働時間は10時間となり、8時間を超える2時間分は時間外労働となります。
この2時間分の時間外割増賃金を支払う義務があるのは、時間的に後に労働させ、8時間を超えさせた「B社」となります。
| パターン | 労働時間の状況 | 割増賃金の負担会社 |
|---|---|---|
| 所定労働時間で既に8時間超 | A社契約5h + B社契約5h = 計10h | 後に労働契約を締結した会社 |
| 所定外残業で8時間超 | A社6h勤務 + B社所定2h(+残業2h) | 実際に8時間を超える残業をさせた会社 |
3. 店舗・事業者が現場で取るべき3つの防衛策
1. 採用時の自己申告:面接時および採用時に「他社での勤務状況(曜日・時間・契約内容)」を自己申告書で提出させる。
2. シフト上限の設定:他社で働いた日には自社で最大何時間まで勤務できるかを事前に決め、通算8時間を超えないシフト枠を組む。
3. 当日の他社勤務実績の確認:出勤時の打刻画面等で「本日他社での勤務時間」を申告・入力できる仕組みを導入する。
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本記事は、厚生労働省策定ガイドライン、労働基準法(第32条・第36条・第37条・第108条)および関連省令に基づいて制作・定期更新しています。
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